思い出の星空を歌うのに「プラネタリウム」と名付けたのは時の流れを表現する為!「プラネタリウム」大塚愛


「プラネタリウム」大塚愛
2005年9月21日リリース

大塚愛さんの「プラネタリウム」は亡き彼氏に送った歌」とかいう情報がネットでは散らばっていますが、それは全て都市伝説。会えない人の事を歌った歌詞を浅く受け取った、安易な解釈です。

では、どういう曲なのか?彼女の過去のインタビューから拾っていくと、じっくり我慢してタイミングを待ち、やっとリリース出来た曲だった事がわかります。

大塚愛さんの代表作には、大きく分けて2つのタイプの曲があります。一つは、「さくらんぼ」や「 Happy Days」に代表される、明るくてコミカルで、言葉遊びを多用した作品。そしてもう一つは、「プラネタリウム」や「恋愛写真」に代表される、同じ世代の女性の心掴む、バラード曲です。

アマチュア時代から、数々の曲がすでに出来ていて、まずはどの曲でデビューするか、迷いました。「さくらんぼ」のウケは前々から良かったので、それで勝負する手もあったのですが、コミカルな曲を先行させると、そのイメージで固定され、そればかり求められるので、後にバラードが歌いにくくなる。そこでバラードの「桃ノ花ビラ」からリリースして、のちに徐々にコミカルな面も出していこうという作戦に出ます。

ところが、「桃ノ花ビラ」が24位と、はじけなかったので、大塚愛さんやスタッフは焦りました。そこで、もっと後にとって置きたかった「さくらんぼ」を予定を早めて投入。シングルチャートで5位を獲得し、日本レコード大賞・最優秀新人賞も獲得しました。

しかし、このコミカルな路線でイメージを固定化されないように、ここからはバラード曲と、ポップな曲を交互にリリースする事にしました。そう言われてシングルリリースの並びを見ると納得出来るのはないでしょうか?

1.「桃ノ花ビラ」
2.「さくらんぼ」
3.「甘えんぼ」
4.「Happy Days」
5.「金魚花火」

さて、プラネタリウムは、大塚愛さん記念すべき10枚目のシングルです。

実は、短大時代に作られた曲で、4枚目の「Happy Days」と同じ時期に作られていました。石川県の海に行ったときに、真っ暗だったので満点の星空が見えて、それをモチーフに書かれた曲です。大阪の海は都会の海なので、夜でも明るいのですが、真っ暗な海と輝く星空がインパクトがあり、曲の構想が浮かびました。

もう会えない人の事を書いた為に、「亡き彼氏に送った歌」という都市伝説も生まれましたが、実はもっと大きな世界で、好きな人がどうというより、そのときの記憶の中にいる人たちが、今はもういない。時間はどんどん過ぎ、季節がまた来るっていう移り変わりの事を描いています。

前向きな内容が多い大塚さんの歌詞ですが、この歌は、過去に縛られているわけでもなく、「どうにもならない」ってことを、ちゃんと受け止めようよ、と言ってる感じの曲。過去を振り返っても変えられないから、前を向かなきゃという事を歌う為に、あえて変えられない過去や、もう会えない人も登場させているのです。

思い出の星空の事を歌っているのに、あえて「プラネタリウム」というタイトルをつけたのは、通常に見る星空よりも、回るスピードが速く、時計のようにぐるぐる回っている事をイメージさせています。思い出の星空を見上げたら(思い出にしがみついていたら)、いつの間にかどんどん時が過ぎていたという意味です。

実はこの曲、デビュー直前に、すでにレコーディングも行われていました。作った当時から周りにはすごくウケがよかった曲ですが、そこから満を持してリリースするまでタイミングを待つ事になります。それは大塚愛さんの色んな一面を見せてから、リリースしたいという事。コミカルなだけじゃなく、バラードだけじゃなく、実は裏に深い意味があるんだという事を出せるタイミングが来るまで、待っていました。

そして、10枚目でリリースというタイミングの時、すでにデビュー前にレコーディングされたボーカルを聞いて、録り直す事にしました。デビュー前のレコーディングだったので、ちょっと一生懸命に歌い過ぎていて、それだけ聴くと遠距離恋愛みたいな、誰かがいなくてすごい寂しいだけの曲に聞こえてしまうという理由でした。思い出がどんどん遠くなっていく、時の流れを表現する為、自分の成長も見せるために、もう一度、レコーディングし直したのでした。

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