「恋心」相川七瀬 1996年10月7日リリース
作ってから日の目をみるまで、4年もかかってしまった曲!
1995年、20歳の時に「夢見る少女じゃいられない」でデビューした相川七瀬さん。
このデビュー曲の候補は、実は、最後3曲にまで絞られたのですが、プロデューサーの織田哲郎さん、本人、レコード会社のスタッフなどでなかなか、話し合いがまとまらず、ギリギリまで決まらなかったそうです。その3曲というのが、デビュー曲の「夢見る少女じゃいられない」、セカンドシングルの「バイバイ」。そして、5枚目のシングルとなった「恋心」でした。
まず、最初に脱落したのが「恋心」。デビューに向けて、ボイストレーニングは積んできたものの、歌番組やライブなど、人前で歌う経験もなく、複雑な恋心を、自分の歌として歌えるかという心配がありました。
後に、相川さん自身も、デビュー当時を振り返った時に、あの頃の自分は、まだこの曲を歌うには幼すぎたと語っています。結果として、デビュー曲は、尖ったロックというスタイルの「夢見る少女じゃいられない」が選ばれたのですが、でも実は、織田さんが、相川さんの為に最初に書いたのは「恋心」でした。しかも、書いたのは、デビューのずっと前。
歌手にならないかという織田哲郎さんの誘いを、1度は断った相川さんですが、高校を中退した事で、他に生きる道を探し、歌手を目指してみると、織田さんに連絡をしてきました。そこで、織田さんは、すぐに彼女をイメージした曲「恋心」を書き上げました。相川七瀬さん、17歳の時。
しかし、デビューするには、ボーカリストのスキルがまだ足りないという事で2年間はアルバイトしながらの、ボイストレーニングの日々。20歳でデビューしてからも、彼女の為の曲「恋心」は、これを歌う実力がついてからと、温められてきました。
やっと歌う許可が下りたのは、デビューしてから、1年後、5枚目のシングルをリリースするタイミングでした。作ってから日の目をみるまで、4年もかかってしまったと語った織田哲郎さん。でも、この曲を歌う実力をつけていた彼女の歌声は、多くの人の心に響き、100万枚を超える、ミリオンセラーとなったのでした。
1999年にリリースしたベストアルバム「ID」には、アコースティックバージョンが収録され、これまでとは別の、しっとりとした「恋心」も誕生しています。
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【カバー】