小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」!ドラマの途中で流れ出す主題歌の先駆者

「ラブ・ストーリーは突然に」小田和正 1991年2月6日リリース

ドラマの途中で流れ出しクライマックスを演出する主題歌の先駆者!

1989年、オフコースが、東京ドームでのライブを最後に解散すると、小田和正さんは、ソロ活動をスタートさせました。

そんな時に、小田さんに曲を依頼して来たのが、フジテレビのドラマ「東京ラブストーリー」のプロデューサーである大多亮さんでした。

大多さんは新しいドラマのスタイルとして、若者に人気の渋谷などを舞台にし、スタイリストが提案するおしゃれなファッションを導入、さらに、若者が聞きたがる音楽を、ドラマの中でかけると決めていました。そんな音楽を探している時に、女性達に勧められたのがオフコースでした。

大多さんは、オフコースを聞き込んだうえで、「Yes No」のような曲が欲しいと小田和正さんに依頼。しかし、ラブソングばかり続いていた小田さんは、依頼とは違う、明るい曲調のものを提出します。

曲を聴いた大多さんは、小田さんが気分を害するのを覚悟で、ドラマにはどうしてもせつないラブソングが必要だと、書き直しを訴えました。

すると、小田さんは、「わかった。1週間もらえれば、ぐうの音も出ないような曲を作る」と言い、約束通りに作り上げて来たのが、「ラブ・ストーリーは突然に」だったのです。

この曲は、主題歌としての新しいスタイルも確立しました。それまで、主題歌と挿入歌は、はっきりと分けられていて、ドラマのストーリーの途中で主題歌が流れる事は、ほとんどありませんでした。

しかし、この「東京ラブストーリー」では、ストーリーの中で、「ラブ・ストーリーは突然に」の、インストゥルメンタル・バージョンを多用。

さらに、ドラマの終盤、登場人物の心が動いた瞬間に、ギターのカッティング音から始まるイントロが流れ、織田裕二さんや、鈴木保奈美さんなど、登場する人物の表情が、歌に合わせて、交互に映し出されて行くという手法もとられました。

こうしてドラマとマッチした楽曲は、ドラマの人気と共に売り上げを伸ばし、シングル売上は270万枚。当時の日本におけるシングルCDで最大のヒットとなったのでした。

ちなみに印象的なギターのイントロは、レコーディングの後、ホテルで飲んでいる時、曲を聞きながら小田さんが「このイントロでいいのかな?もうちょっと何か」とポツリ言ったので、ギターの佐橋佳幸さんが、酔った勢いで「♪チャカチャチャーン」と弾くと「それだ!」となったそうです。『佐橋佳幸の仕事1983-2015~Time Passes On~』というアルバムのブックレットにそう書かれています。

佐橋さんによると、「チュクチューン」という人が多いのだけど、 「チュクチュ」という3連を弾いてから、チューンと伸ばす「チュクチュ・チューン」だという事で、「チュクチューン」と言われると訂正したくなるとの事です。

この曲のジャケットはカメラマンの横木安良夫さん。写真のイメージとしては、oh!yeah!って感じで、いろいろな動きを撮って行った中の一つだそうです。

【カバー】

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