「PEACH」大塚愛 2007年7月25日リリース
イメージを固定されないようコミカルな曲とバラードを両A面に!
大塚愛さんの代表作には、大きく分けて2つのタイプの曲があります。
一つは、「さくらんぼ」や「 Happy Days」に代表される、明るくてコミカルで、言葉遊びを多用した作品。
そしてもう一つは、「プラネタリウム」や「恋愛写真」に代表される、同じ世代の女性の心掴む、バラード曲です。
この振れ幅が大きいので、「どちらが本当の大塚愛なんだろう?」と、言われる事が多いのですが、本人は、一つのカラーに決められたくないので、毎回、いい意味で裏切る事が出来るようにしたいと、答えています。
実は、デビューの時点から、そういう思いがありました。
当初は「さくらんぼ」でデビューする計画もあったのですが、コミカルな曲でデビューし、それを印象づけてしまうと、そちらばかりを求められ、活動の幅が狭まってしまう危険性があります。
そこで、あえてしっとりとした曲を先にリリースし、もう一面の魅力を見せておこうという事に。こうしてデビュー曲が「さくらんぼ」から「桃ノ花ビラ」に変更になりました。
元気いっぱいの曲と、しっとりとした曲、両方のヒット曲を飛ばし、相反する2つのカラーを確立させる事に成功した彼女ですが、今度は、それを逆に、融合してしまおうというアイディアが生まれます・
それが、15枚目のシングル「PEACH」。
ダブルA面で、もう一曲は「HEART」というバラード曲なのですが、そちらのジャケットは、大塚愛さんの、胸の所に赤いハートマーク。それに対し、コミカルな一面を出した「PEACH」のジャケットには、大塚愛さんの、お尻の所に、ハートマークを逆さまにした、桃のマークが。こうして同じ形でも、2つの見方、違った意味があるという事を表現。彼女の違った一面を、同時に見せる事に成功したのです。
二つの異なる大塚愛を、同時に見せるこのアイディアは話題となり、オリコンチャートで1位を獲得。この年の、第49回日本レコード大賞金賞にもノミネートされました。