「POISON」布袋寅泰 1995年1月25日リリース
布袋寅泰のギターを弾きながら、氷室京介のような歌は歌えない。一度BOØWYの布袋のイメージを壊して再構築!
1981年、BOØWYのギタリストとしてデビュー。
1988年4月にBOØWYを解散した後に、10月にアルバム『GUITARHYTHM』をリリースし、ソロデビューした布袋寅泰さん。
「なかなかわかってもらえないけど」と前置きしたうえで、こう語っています。多くのファンは、BOØWYの延長上であるサウンドを求めて来るだろう。しかし、布袋寅泰のギターを弾きながら、氷室京介のような歌は歌えない。
ギタリストとしてギターに専念出来るから早弾きをはじめとした、布袋のギターサウンドが生まれる訳で、全編早弾きをしながら、歌えというのは曲芸に近い。だから、BOØWYの延長上のサウンドを求められても、出来ない。
そこで、アルバム制作を通じながら、BOØWYではなく、新たに布袋寅泰のサウンドを確立する、『GUITARHYTHM』という、プロジェクトをスタートさせました。
合計4枚目のアルバムをリリースするのですが、一枚目の『GUITARHYTHM』は、イメージの打破がテーマ。コンピューターを大胆に取り入れながら、BOØWYとは違うデジタルサウンドで、全編、英語詞。
二枚目の『GUITARHYTHM II』は、自分の中の放出。その頃に傾倒していた、シュールレアリズムの影響を色濃く出し、自分の中にある幻想的な部分を、映し出しました。
三枚目の『GUITARHYTHM III』は、ライブを意識したアルバム。2枚のアルバムをひっさげてのツアーを行ううちに、もっと観客との距離感を縮められる曲が欲しくなったのです。
そして、『GUITARHYTHM』シリーズの最後となる、4枚目の『GUITARHYTHM IV』のテーマは、バンドサウンド。イメージを打破しながら曲を作ってきましたが、やはりライブが大切で、今なら、BOØWYとは違う、バンドサウンドが作れるだろうという結論に。
そして、新たな自分のサウンドが確立した事で、この1枚で、『GUITARHYTHM』というプロジェクトを終了する事にしました。そこで、この4枚のアルバム作りの集大成として、シリーズ「最強・最後のシングル」として、この曲をリリースしたのです。
BOØWYというイメージからの、脱却。悩み、もがきながらも、納得出来る新たなスタイルを確立出来た事で、ここからは、自由に突き進む事が出来るようになったそうです。