「M」プリンセス プリンセス 1989年4月21日リリース
Mとはドラムの富田さんが失恋した相手のイニシャル
プリンセス プリンセスのMは、当初4枚目のアルバム「LET’S GET CRAZY」に収録される一曲として制作されました。そのきっかけはドラムの富田京子さんの失恋。
富田さんが失恋した日、たまらず奥居香さんの家に行き泣き続けていたら、奥居さんが「だったらその気持ちを吐き出して歌詞を書いたら?」と提案。「ヒットさせて仕返ししてやろう」。そこで、殴り書きで想いを書いていきました。
Mというのは、富田さんを振った男性のイニシャルです。
失恋の痛みを書いたその言葉の数々を、ボーカルの立場から歌として奥居さんが並び変えるように指示。そして書き上げた富田さんの想いを元に、奥居さんが切ないメロディーを付け曲のベースが完成しました。
ただ、当時はライブハウスを一杯にし、次の目標である渋谷公会堂をを埋め、バンドとして勢いがついて来ていた時期。失恋を歌った歌はバラードは、その盛り上がりを止めてしまうのではないかと、お蔵入りにする案もありました。
プロデューサーは、バラードにストリンすぐなどをつけてしまったら、歌謡曲のようになってしまうけど、QUEENのようなロックバラードだったら、バンドとしても違和感がないのでは?と提案。QUEENにもピアノで静かに始まり、サビからバンドサウンドで盛り上がって行く曲があります。そんなサウンドを目指しました。
ボツにはなりませんでしたが、あくまでもアルバムの一曲という扱いでした。ところがライブなどでは評判が良いので、次のシングル「Diamonds」のカップリングとしてリリースされる事に。勢いのある「Diamonds」と、ドラマチックな「M」この2曲の相乗効果として、オリコン1位、100万枚以上を売り上げたミリオンセラーとなったのでした。
Mさんは、その後、プリンセスプリンセスのライブを訪れていて、この曲を会場で聞いたそうです。
【カバー】