「Return to Myself 〜しない、しない、ナツ。」浜田麻里 1989年4月19日リリース
ヘビメタでは出演する番組がなく、幅を広げる為にキャッチーなCMソングを!
1983年、あの糸井重里さんが、ネーミングしたキャッチコピー「麻里ちゃんはヘヴィメタル」で、女性ロックボーカリストとしてデビューした、浜田麻里さん。
当時は、松田聖子さん、中森明菜さんといった、アイドル歌手全盛の時代でロックを歌う女性は、異例の存在でした。
アイドルと同じ土俵で勝負してもしょうが無いと、シングルは出さず、アルバムだけで、まずは世界観をわかって貰う作戦に。1年に2枚のペースで、アルバムを作り、それをひっさげてのライブツアー。こうして、徐々にロックファンの心をつかんでいきました。
デビューから2年が経過し、アルバムを4枚出した後で、「Blue Revolution」で、ついにシングルデビュー。
ライブを重ねるうちに、へヴィメタルの女王、浜田麻里の知名度もぐんぐん上がっていきます。しかし、それと同時に、あるジレンマも抱えていました。
当時は、テレビの歌番組に、へヴィメタルが出演する環境はなく、活動の幅を広げ、もっと多くの人に歌を聴いて貰う為には、何かを変え、歌い手としての幅を広げなければならないと、考えていました。
そこに舞い込んできたのが、CMソングの話。アルバム収録曲の中では、割とポップで、わかりやすいメロディーの曲「CALL MY LUCK」のような曲を、CMソングにしたいと、具体的に曲目をあげて、依頼があったのです。
そして、化粧品のキャッチコピー「化粧直し、しない、しない、ナツ。」というイメージも、歌詞に盛り込むことが求められました。
ここから、「心を染め直さずに自分らしくあること」というコンセプトが出来「Return To Myself」というタイトルも浮かびました。
こうして、作られた「Return to Myself 〜しない、しない、ナツ。」 は、’89カネボウ化粧品の、大塚寧々さん出演のCMソングとして大量にオンエア。これまでTVで流れる事のなかった、浜田麻里さんの歌声が、CMソングという形で、全国に披露されると、多くの人の支持を集め、シングルチャートで、最高1位まで、上り詰めたのでした。
【カバー】