「島唄」 THE BOOM 1993年6月21日リリース
宮沢和史さんは沖縄でなく山梨県の出身、なので沖縄の唄を歌う事をためらった!
「THE BOOM」のボーカル宮沢和史さんは、沖縄ではなく、対照的に海がない、山梨県の出身です。沖縄とかかわるようになったのは、知人からもらった、沖縄民謡全集のカセットテープがきっかけでした。
その音楽に魅せられ、独特な琉球音階を生かした曲を取り入れてみたいと沖縄の勉強をするようになりました。
沖縄を訪れた時、糸満市の「ひめゆり平和記念館」で、「ひめゆり学徒隊」で、生き残った女性に話を聞く機会がありました。20万人近い人が亡くなり、そのうち9万人は一般人で、集団自決などもあったという、耳をふさぎたくなるような、悲惨で衝撃的すぎる話ばかり。
そんな、ひめゆり学徒と、つらい話を聞かせてくれた女性のために、東京に戻ると、鎮魂の思いを込めて、曲作りを始めました。こうして出来たのが、島唄。
当初は、アルバムの収録曲の一曲だったのですが、これを聞いた沖縄の泡盛メーカーに、CMソングに使いたいと言われ、快諾。それが評判になり、沖縄限定でCDがリリースされる事になりました。
さらに、評判が評判を呼び、全国発売の話が持ち込まれます。ところが、宮沢さんは、最後まで悩みました。これはヒットさせる為に書いたのでなく、鎮魂の為に書いた曲だったからです。
それでも、日本中からCD化して欲しいという声が届き、リリースされると、多くの人の心に染み渡り、100万枚を超すヒットに。そして、その後、アルゼンチンをはじめ、世界10カ国以上でカバーされている、世界で歌い継がれる名曲となりました。
沖縄限定で発売した当初、沖縄では、「島唄」を単なる沖縄音楽の真似事と批判する人も多く、全国発売するのに、乗り気ではありませんでした。沖縄のアーティスト、喜納昌吉さんに、沖縄の「魂」までコピーすれば、それはもうコピーなんかじゃいと言われ、その言葉に背中をおされて、堂々と歌う事に。
【カバー】