JUDY AND MARY「散歩道」一般的にはブライダルソングだけどメンバーの仲直りを祈った曲にも聞こえる

「散歩道」JUDY AND MARY 1998年2月11日リリース

JUDY AND MARYの「散歩道」は、アルバム「POP LIFE」からの先行シングル曲です。ドラムの五十嵐公太さんが作曲した数少ない楽曲の一つで、五十嵐さん作曲によるシングル曲はこの曲のみです。

このアルバムが解散のきっかけとなったと見られていますが、実はもっと前から解散の兆しはありました。

2枚目のアルバム「ORANGE SUNSHINE」までは4人の力を持ち寄り、バランスが取れていたのですが、プロデューサーに佐久間正英さんを迎えると、後から入ったTAKUYAさんの能力を評価し、その方向性にバンドを持って行きました。そのため、本来、リーダーである恩田さんと、TAKUYAの主導権が徐々に逆転して行き、バンドはギクシャクしだしました。

プロデューサーの佐久間さんによると、アルバム「MIRACLE DIVING」の前から、「YUKI、TAKUYA」「恩田、五十嵐」の2対2に分かれる事が多く、レコーディングが上手く行かなくなっていたと語っています。そこで、夜中にスタジオでミーティングをして「こんなんだったら、バンドやめちゃえば」って佐久間さんが言い放ったのだそうです。

このアルバム「POP LIFE」では恩田さんの楽曲は「ステキなうた」一曲のみ。五十嵐さんも「散歩道」一曲のみと、TAKUYAさんのアルバムになってしまっています。

さらにアルバム「POP LIFE」は、ロンドンでレコーディングしたのですが、YUKIさんが喉の手術を受けた事による声質の変化や、ホームシックにもなり、メンタル的に弱ってしまった事で、歌詞を書くのが難しくなっていました。

この「散歩道」は、2人で歩んで行く事を歌った歌として、結婚式などのブライダルソングとしても人気です。でも、こういう経緯の中で生まれた歌と考えたたら、メンバーの仲直りを願った歌と取る事は出来ないでしょうか?

そんなふうに求めてばっかりじゃ、タマシイも枯れちゃうわ
ムズかしい言葉ばっかりじゃ、あの娘とも仲良くなれないの

向かい風にぶつかってドッカーンって泣いて
朝になって全部忘れた「あぁ」
フワフワ向いているあの雲に乗れるくらい
頭やわらかくしよう

レコーディングで意固地になってぶつかっているメンバーに向けた歌詞に聞こえませんか?

このアルバムリリース後、バンドは一時活動停止、その後、恩田さんから脱退の申し出があって、バンドは解散へと向かいました。

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