「夜空ノムコウ」SMAP 1998年1月14日リリース
締め切りを忘れていたスガシカオが当日に慌てて書き上げた!
SMAP初のミリオンセラーとなり、2002年には中学校の音楽の教科書にも載ったこの曲。20世紀を代表する一曲にもあげられています。
作曲は川村結花さん。そして、その曲に詞をつけたのは、スガシカオさん。
SMAPの代表曲でもある、この「夜空のムコウ」ですが、意外な事に、作詞は、短期間で行われました。
この曲の作詞を依頼されていたスガシカオさんは、締め切り当日まで、その依頼をすっかり忘れていました。それを思い出したのは、羽田空港のロビーでした。
札幌でのライブに行く為に、マネージャーと空港で落ち合った時に、「SMAPの曲の作詞、今日が締め切りですが、出来たんですか?」と、指摘されたのです。
そこで初めて思い出し、慌てたスガさんは、飛行機の機内、ホテルの部屋、ライブが始まる前の楽屋で、作詞を続けました。そして、それを受け取りマネージャーがFAXを送ったのが、午後3時。相当短い時間で、書かれた事がわかります。
短期間で、書けたのには訳がありました。
スガさんには、いつか時が来たら曲にしようと、胸にしまい込んでいたある出来事がありました。それは大失恋。
大学に入るために浪人していた頃、スガさんは人生最大の衝撃を受け、打ちのめされる出来事がありました。その頃、彼は生まれて初めて、真剣な恋をしていました。ところが相手は二股をかけていて、本命の恋人がいることを隠しながら、長い間付き合ったあげく、残酷なフリ方をしたのです。
愛する人との別れ、信じていたものを失い、もう何も信じるものがないと思いながらも、また何か、信じれるものを見つけ、信じていきたいという心の葛藤。
あのときから10年がたって、今の自分からその頃の自分を見たのが、この『夜空ノムコウ』。スガさんは、今こそが書くべき時と、その時の体験を詞にしたためました。
スガさんは、自分のライブのMCでこんな事を冗談交じりで言っています。みんな大ヒットで儲かったというけど、これは今まで俺をフッてきた女たちからの慰謝料だと思っている。
【カバー】