「Triangle」SMAP 2005年11月23日リリース
アメリカ同時多発テロの時に作られた曲がウクライナ侵攻で注目
SMAPの「Triangle」が反戦ソングとして注目を集めています。2005年にリリースされた楽曲にもかかわらず、2022年の3月に入りオリコンでも11位に急上昇。
ロシアのウクライナ侵攻以降、稲垣吾郎さんが自身のラジオ番組で「平和への願いを込めてこの曲をお届けします」と、この曲をかけ、木村拓哉さんは「TAKUYA KIMURA Live Tour 2022 Next Destination」の最終公演で、この曲を歌いました。
この「Triangle」の作詞・作曲は、「オレンジ」も手がけた市川喜康さん。
曲を書いたのは2004年で、ニューヨークでの同時多発テロ事件のあと、アフガニスタンが民主化する中で、タリバンの自爆テロによる抵抗が報じられていた頃です。反戦の思いを伝える曲を作りたいと考え、この曲の原型ができ上がりました。
歌い出しの歌詞は、アフガニスタンのニュースを見て、自分の部屋で思ったことを書きました。テレビでは盛んにテロで破壊された街のニュースを伝えるけれど、住んでいる東京の部屋の窓を開けても見えず、実感出来ずにいる。そこから、どう反戦を思うのかが歌われています。
Triangleとは三角形のこと。「銃を構える人」と「向けられる人」、そして「それを見ている自分」の三者による三角関係を表しています。どちらが正義かわからないが争っている2人がいて、それを止められずに傍観している自分。戦争のニュースを見ても、何も出来ない自分がいる事を表しています。
何か出来る事はないか?
通常、アイドルが歌楽曲は、レコード会社からこういう楽曲を書いて下さいというオファーがあって、集まった曲の中からどの曲にするかコンペが行われるのですが、「Triangle」はコンペと関係無く、この曲が出来ないかと持ちこみました。
当初アルバムの一曲になる予定だったのですが、これは大切な曲だというメンバーの意見もありシングルに。
23回出場したNHK紅白歌合戦でも「世界に一つだけの花」とならぶ、最多の3回披露されています。
その時から平和を祈り歌われてきましたが、ウクライナの問題が起こり、実感が深まり、16年前の楽曲にスポットが当たっています。