「マイフレンド」 ZARD 1996年1月8日リリース
レースクイーンをしながら書きためた歌詞はバッグ一杯に!
高校時代から、バンドを組んで音楽をやりたいと考えていた坂井泉水さんですが、なかなか夢は叶いませんでした。OLの時に、スカウトされ、モデル、そしてレースクイーンに。やりたかった事とは方向性は違いますが、芸能界に入り、音楽活動への夢は持ち続けていました。
レースクイーン時代、同期だったのが、タレントの岡本夏生さん。彼女は、坂井泉水さんが、仕事の合間に、ノートに詩を書いている所を、よく見かけていたそうです。いつか、音楽活動が出来る日の為に、夢をあきらめずに、詩を書き続けていたのです。
酒井さんは、聞き上手で、まわりの人の、恋愛話などの聞き役に。そんな中で飛び出した単語や、シチュエーションなども、メモしていきました。まだ、スマホも普及していない時代。手書きで歌詞が書かれたノートやメモ帳は、どんどん増え続けました。
そんな中、芸能界に入ってから2年後、歌手デビューの話が舞い込みました。
プロデューサーは、彼女が詞を書きためている事を知り、デビュー曲から作詞をさせました。
ZARDは、曲が先に出来て、それに坂井さんが歌詞をつけるのですが、ある日、歌詞の打ち合わせをする事になり、事務所に集まると、彼女は、大きなキャリーバッグを転がしてやって来ました。
スタッフが、今日は撮影は無いので、衣装は必要ないというと、坂井さんは、バッグ一杯に詰め込まれた、ノートやメモ用紙を見せました。そして、メロディーを聞き、そこからイメージされる言葉を、その中から、探し始めたのです。
この「マイフレンド」は、バスケットボールを題材としたテレビアニメ「スラムダンク」の、エンディングテーマに起用されました。歌詞のメモから選ばれたのは、登場人物を見守っているような言葉達。それは、聞く人の、背中を押してくれるような言葉でもありました。