東京事変「群青日和」林檎名義はPRADA、事変はMIU MIUみたいな、姉妹ブランドと語る

「群青日和」東京事変 2004年9月8日リリース

林檎名義はPRADA、事変はMIU MIUみたいな姉妹ブランドで少しカジュアルに

「群青日和」は2004年9月8日にリリースされた「東京事変」のデビューシングルです。元々椎名林檎さんはデビュー前からバンドを組む構想があったのですが、最初にバンドを組んで皆で成長していくというスタイルではなく、最初にソロデビューして椎名林檎というアーティストを認めさせてから、一流のミュージシャンを集めてバンドを組むという計画です。ソロの合間にコラボしてみたというようなスタイルではなく、完全に本気のバンドとしての活動。

そして、後に彼女は「林檎名義はPRADA、事変はMIU MIUみたいな、姉妹ブランドのようなつもりなんです。」とインタビューに答えています。

椎名林檎を突き詰めると、どんどん難解になっていき熱狂的なファンがつくかわりに、ハードルが高くて入れないという人も出て来ました。度を越した注目度と反響で曲が作りにくくなってしまいました。引退まで考えましたが、椎名林檎を延命する為に、セカンドラインに少しカジュアルな路線をもって来たのです。

「事変は、よりユニセックスでよりスポーティで、なるべくフットワーク軽く受け取ってもらえるストリートカルチャーであってほしい。」

とはいっても、MIU MIUもPRADA路線であるように、椎名林檎という共通点はかわりません。

群青日和のCD収録曲は
・「群青日和」が、3:33
・「その淑女ふしだらにつき」が、2:22
・「顔」が、4:04
そして3曲の合計が、 9:59
左右対称のシンメトリーになっている事は有名です。

のちに東京事変の曲には「センターライン」というワードが度々登場するのですが、俯瞰で見た真ん中を書くという決意が表れています。物事には右と左があって、その中道を書くのだけど、自分と少しでも違うと右か左に分類されてしまう事が、窮屈だなと思っていたからです。

さて「群青日和」ですが、群青とは鮮やかな藍がかった青色。このタイトルは「小春日和」の意味合いを汲んでいると思われます。小春日和とは、春になり少し暖かくなって来た事と思っている人が多いですが、実は「冬なのに春のように暖かい」という意味です。なので「群青日和」は、冬の澱んだ季節の中で、抜けるような青空を見つけたという意味合いになると思われます。

なので舞台は「新宿は豪雨」「青く冷えていく東京」そんな中で見つけた群青が「突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点」で、極寒の中でも伊勢丹から出てくる人達の夏空のような熱気に圧倒され、体感温度が上がったのです。

椎名林檎さんは、のちにこの曲は「自分たちの世代にあった、我こそが当事者って言い合って生きている関係が少なくて寂しいっていう気持ちを歌ったものなんです。」と語っています。面倒くさい事に巻き込まれたくなくて、気づかないフリをしているという感じが淋しいという視点からつくった曲。それを恋愛の男女の関係に落とし込みました。

一流のアーティストが集まって作ったバンドだから、「ここはこうしよう」「ここがおかしい」と意見をぶつけ合って作るスタイルになったからこそ、生まれた曲なのではないでしょうか?

【カバー】

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