くるり「東京」足立区の綾瀬で遠く離れた恋人を思いながら1日でレコーディングした曲

「東京」くるり 1998年10月21日リリース

足立区の綾瀬で遠く離れた恋人を思いながら1日でレコーディングした曲

「くるり」の「東京」は、JUDY AND MARYやエレファントカシマシなども手がけた佐久間正英さんのプロデュースで世に出たと言われるのが定説です。確かにメジャーデビューの「東京」を手がけたのは佐久間さんですし、ラジオでかかりやすくるする為に間奏をカットて短くしたりした為に、FM802のヘビーローテーションに選ばれ、多くの人に聞かれるようになったので、間違いではありません。

しかし「生んだ」のは正確には佐久間さんではありません。「東京」の誕生に大きくかかわったのは、宅録のパイオニア、シュガーフィールズの原朋信さんです。

くるりが上京した時に頼ったのは、東京の綾瀬に一軒家を改装したレコーディングスタジオ「カフェオレーベルスタジオ」を運営していてた原朋信さん。所持金がもう500円ぐらいしかなくなった時に原さんの所に転がり混みました。いろいろ話す中で、原さんが運営していた「カフェ・オ・レーベル」に所属していたアーティスト「アンアーバー」の音源を聞かされ、ひらめいたのが「東京」です。

「アンアーバー」の、素直に自分の気持ちを書いている歌詞が心にささり、今までこんな風に書いていなかったと思ったら、知らず知らずのうちに歌詞を書きだしていました。原さんの証言では、缶コーヒー1本飲む間、ものの10分で書きかげてたと言います。遠く離れた東京で、恋人の事を思いだしたりして不安になったけど、そんな気分を歌にして一気に書き上げ「初めて素直な気持ちが書けた」と、岸田さんも語っています。

原さんがサウンドプロデューサーとなりながらデモテープをレコーディング。一晩で作り上げたのだそうです。曲の最後の「パーッパー」というコーラスなども原さんのアイディア。こうして録音されたデモテープを、Bad News Recordsに送ったところ気に入られ、11月にインディーズ1stアルバムである『もしもし』を発売する事に。その一曲目に収録されていたのが「東京」です。

このインディーズ版の「東京」は、テンポはやや速く、全編に渡ってスライドギターも激しく鳴っています。歌詞も「君が素敵だった事」が「君が素敵だという事」とちょっと違い、一番のサビの前に間奏があります。

間奏はメジャーデビューの時に、プロデューサーの佐久間正英さんにカットされていますが、本人達はそれが不満で、ライブなどでは、インディーズバージョンで演奏される事が多いです。

スポンサーリンク
スポンサー




スポンサー




シェアする

フォローする

スポンサーリンク
スポンサー