「やさしい悪魔」キャンディーズ 1977年3月1日リリース
ドリフがフリをマネをした事で子供達の間で爆発的な人気に
キャンディーズの13枚目のシングルとして発売された「やさしい悪魔」は、彼女たちの転機となる曲でした。
それまで、「年下の男の子」「ハートのエースが出てこない」「春一番」などのヒットを飛ばし、アイドルとしての人気を確立していたキャンディーズですがここで、彼女らの方向を転換する、一つのプロジェクトが立ち上がりました。
それが、「キャンディーズ大人化計画」
作詞家の喜多條忠(まこと)さんがが、彼女達が所属していた渡辺プロダクションの社長に呼び出され、こういう相談を受けました。
キャンディーズなんだけど、大人の女の歌を書いてやってくれないか? 1年間任せるので、少女っぽいキャンディーズから、大人のキャンディーズに変身させて欲しいとお願いされたのです。
それは、セクシーな振り付けで、人気急上昇だった、ライバル、ピンクレディーの存在を意識したものでした。
前の年に、ピンク・レディーが「ペッパー警部」でデビューし、キャンディーズが、まだなし遂げたことがなかった、シングル1位をセカンド・シングル「S・O・S」で達成するなど、快進撃が始まっていたからです。
そこで、喜多条さんは、1年間に3枚のシングルを出す計画に合わせ、「キャンディーズ大人化計画」というプランを立ち上げました。
その第一弾として、喜多条さんは、親友の吉田拓郎さんに大人っぽい曲を頼み、アン・ルイスさんに、大胆な網タイツの衣装をデザインさせる事に。
吉田拓郎さん独特の難しい節回しに、レコーディングは苦戦しましたが、拓郎さんが曲を書いたという事で、アイドルファン以外の人たちも曲に注目し、一気にファン層が広がりました。
さらに、セクシーでありながらコミカルな振り付けは、出演していた「8時だよ全員集合」で、ドリフがマネをした事から、子供達の間で、爆発的な人気に。
こうして、「キャンディーズ大人化計画」は成功し、これまでのシングルで、最大のヒットを飛ばす事となりました。
■リンク「春一番」アルバムバージョンはかなりロックなアレンジだった
【カバー】