大瀧詠一「FUN×4」曲中の「散歩しない?」という女性の声は太田裕美、その他シャネルズも

「FUN×4」大瀧詠一 1981年3月21日リリース

曲中の「散歩しない?」という女性の声は太田裕美、その他シャネルズも

「麒麟 発酵レモンサワー」のCMソングに採用された事で、再び注目を集めている大瀧詠一さんの「FUN×4」。1981年3月21日に発売された名盤「A LONG VACATION」に収録された一曲です。正式な読み方というのが無く「フォー・タイムス・ファン」や「ファン・タイムス・フォー」などと呼ばれています。

タイトルはThe Beach Boysの「FUN FUN FUN」をモチーフとしていて、大瀧さんから作詞の松本隆さんに「FUNが一つ多いやつで」というリクエストがあったそうです。The Beach BoysがFUNの3倍なら、4倍でという遊び心で、FUN×4を英語的には「フォー・タイムス・FUN」となるので、コーラスでは「フォー・タイムス・ファン」と歌っています。

その他、この楽曲には、大瀧さんが大好きだったオールディーズをモチーフとしたネタが沢山詰め込まれていて、「タイトルがThe Beach Boysなのに音楽を聴いたらThe Four Seasonsじゃないか」とオールディーズファンに笑って欲しいというのが、アイディアの原点。

その他、オールディーズを知らない人には「あれ?」と思わせる仕掛けが色々と隠されています。

全体のコーラスとなる「Bom bidoo bidoo bidoobi bom bom」はシャネルズの「ZOOM」という楽曲から。大瀧さんはアマチュア時代からシャネルズ(ラッツ&スター)を知っていて、この楽曲でもコーラスをやって欲しいと思っていました。しかし当時のシャネルズは超売れっ子で忙しく、スケジュールが取れずに断念しました。

しかしダビングの最後にシャネルズがちょっとだけ時間が取れる事になり、「♪ Church Bells May Ring 」というバックボーカルを録る事が出来ました。「♪ 4人の子どもさ 」のバックで聞こえるコーラスです。

さらに途中に入る「散歩しない」の女性の声は太田裕美さん。このアルバムの最後に収録されている「さらばシベリア鉄道」の歌詞が、太田裕美さんの「木綿のハンカチーフ」と同様に、男女の視点が交互に登場するので、「この曲は太田裕美さんに歌わせた方がいいのでは?」と提案し、先にシングル化。アルバムの中で大瀧さんがカバーするというスタイルになりました。そんな縁もあって一節だけ太田裕美さんが歌っているのです。

その後、2009年にリリースされた『A LONG VACATION from Ladies』では、太田裕美さんがこの曲を歌っているのですが「散歩しない?」のセリフは逆に大瀧詠一さんが歌っているそうです。

曲の最後に「月に吠えるのさ」の後の狼の鳴き声は、五十嵐浩晃さん。当時、五十嵐さんは札幌に住んでいたのですが、大瀧さんに呼び出され、すぐさま飛行機で東京へと向かいました。レコーディングスタジオに着くと「FUN×4」を聞かされ、この曲の最後にコーラスを入れて欲しいと頼まれました。

「どんなコーラスを?」と聞くと「吠えてくれ」というので、ブースで吠えてみると、大瀧さんが大笑い。何パターンかやってみてと言われて録音したのが、あの鳴き声だそうです。

このように遊び心満載の曲の最後は、手拍子から拍手になって、終わりかと思ったらまた手拍子になって「お手を拝借!」と声がするのですが、その声は大瀧詠一さんです。一発録りの最後に上手くいって拍手が出たのも、楽曲に残しました。

【カバー】

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