「セクシャルバイオレットNo.1」桑名正博 1979年7月21日リリース
「資生堂」対「カネボウ」のCM戦争真っ只中の1979年、カネボウのCMソングが桑名正博の「セクシャルバイオレットNo.1」。資生堂が柳ジョージ&レイニーウッド「微笑の法則」でしたが、ヒットでは「セクシャルバイオレットNo.1」に軍配が上がりました。
オリコンチャートでは3週に渡り1位を記録。方や「微笑の法則 〜スマイル・オン・ミー〜」は最高位が5位という結果に。
しかしこの曲は、すんなり出来た訳ではありませんでした。化粧品のCMソングは、そのキャンペーンのキャッチフレーズを歌詞やタイトルに入れるように条件をつけるのですが、カネボウ指定フレーズは「セクシャルバイオレットNo.1」。
作詞家の松本隆さんは、こんなダサいフレーズじゃ曲は作れないと反対しますが、CMソングだから仕方ないと説得されてしまいます。半ば開き直り気味で、サビで連呼する事にしました。
バンド「ファニー・カンパニー」を解散した後、歌謡曲側からのロックというアプローチを探している時に、筒美京平さんを紹介され日本語ロック構想を相談。ならばと日本語ロックの「はっぴいえんど」から作詞家になっていた松本隆さんも紹介され、日本語ロック構想を練っている時期。
ダサいフレーズをあえて連呼する事でインパクトが作れるのではないかという松本さんの狙いはあたり、CMではサビのフレーズばかりが使われるので、耳にも残り結果大ヒットとなってのでした。
実はこの曲には、もう一つの秘話があります。
松本 隆作詞活動50周年トリビュートアルバム『風街に連れてって!』こちらで、この曲をB’zがカバーしているのですが、プロデューサーの亀田誠治さんがダメ元で、B’zに依頼すると、意外にも前向きな返事が!
実は松本孝弘さんが、桑名正博さんのバックバンドを務めていた事があって、この曲もよく弾いていたのだそうです。その縁から、稲葉さんも乗り気になりカバーする事になりました。
さらに、「松本隆 作詞活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト!~ 風街オデッセイ2021」の武道館コンサート。こちらは松本隆さんに作詞をしてもらった多くの歌手が詰めかけ、歌を歌ったのですが、亡くなった桑名正博のこの曲を歌う為に、B’zが一曲歌い、舞台を駆け抜けていったのでした。
【カバー】