はっぴいえんど「風をあつめて」細野晴臣に何を書いているのかわからないと言われた日本語詞

「風をあつめて」はっぴいえんど 1971年11月20日リリース

「風をあつめて」は、2枚目のアルバム「風街ろまん」で初めて音源化された楽曲です。

当時、フォークが日本語で、ロックが英語中心の歌詞の時代に、日本語でロックのメロディーに歌詞を乗せるのにこだわりました。松本隆さんは「自分の内面を出すには英語はやりたくない」と日本語の歌詞にこだわり、海外志向の細野晴臣さんに抵抗しました。

日本語ロックが生み出されていない時代に、どうやって詞を書けばいいのか研究した時に、宮沢賢治や中原中也みたいな詩の中に、ヒントがあったといいいます。

渋谷、青山、麻布を結んだエリアを「風街」と名付け、その風景や出来事を愛おしく想う気持ちを表現することを心がけました。

1964年の初回の東京オリンピックの時も、国立競技場などを含むそのエリアは再開発され、昔ながらの風景が失われていきました。街に佇んでいると、僕の目にその昔の風景が「見えたんです」という。「見えた」をキーワードに失われた風景の事を歌っています。

詩を読んだ細野さんは、「松本、これ何書いてるか分からないよ」と最初は戸惑ったそうですが。

この歌詞は、渋谷にあった喫茶店「マックスロード」でかかれたのですが、ちなみに、246を渡った所にあったその喫茶店は、ドラマ「東京ラブストーリー」で完治とリカが待ち合わせた場所としても人気となっています。その、失われた風景を思い出していた喫茶店ですが、こちらも桜丘のエリア再開発でビル事無くなってしまいました。

ソフィア・コッポラの映画「ロスト・イン・トランスレーション」は、東京を訪れた外国人が孤独を感じながら街に漂うシーンを描いた映画なのですが、カラオケBOXでのシーンで、他の部屋から「風をあつめて」を歌う声が流れて来ます。風街=渋谷を描いた映画にもこの曲が登場するのです。

2021年11月に行われた、「~松本 隆 作詞活動50周年記念 オフィシャル・プロジェクト!~ 風街オデッセイ2021」。こちらではアンコールで、松本隆さんが久々にドラムを叩き、細野晴臣さんがベースとボーカル、鈴木茂さんがギターで「はっぴいえんど」を再結成して、「風をあつめて」を歌いました。大瀧詠一さんも天国から見守ってくれていたと思います。

【カバー】

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