「YAH YAH YAH」CHAGE and ASKA 1993年3月3日リリース
殴りに行こうかの相手は秋元康説は実は違う
「YAH YAH YAH」は1993年のドラマ「振り返れば奴がいる」の主題歌です。ちなみにこのドラマの脚本は三谷幸喜さんで、ドラマデビューとなった作品です。
悪役演じる織田裕二さんと、正義感の石黒賢さんの対立を描いた医療ドラマ。医療ドラマの名作「白い巨塔」をイメージに、対立構造が描かれています。
この主題歌の話が来た時、レコード会社と所属事務所は反対していました。ドラマの主題歌だった「SAY YES」が大ヒットしてしまったことで、ドラマを絡めたイメージの植え付けが大きく、しばらくはドラマの主題歌をやるべきではないという意見で、当初はASKAさんも賛成していました。
「SAY YES」に関しても、オフィシャルサイトに「僕らの中の最近の代表曲となってしまった歌です。」と解説が書かれているように、自分らの本意ではない事が多発していました。
自分達はずっとライブをやって来て、急に売れたわけじゃなく、これはライブを10年間やった成果なんだ、ご褒美なんだと思っていたのに、ドラマのおかげで売れたというレッテルを貼られた事に対し、違和感を感じていました。
そして売れた事でプライベートでも制限がかけられ、ツアーでもホテルから出ちゃいけないとされ、警備員をつけられ、飲みに行くのもコンビニも、外出は禁止されるという、窮屈な生活を強いられていたのです。
ただ、気持ちが変わってきたのは、アルバム「GUYS」をリリースした後から。比較的落ち着き目のアルバムに仕上がってたので、次はテンポ感のあるが曲を発表したいという気持ち湧き上がってきました。様々な制限から忍耐を持って立ち向かう事が多い中、素直な心の叫びを歌にしたくなっていきました。
古舘伊知郎さんが、この歌について自身のYouTubeで、音楽番組MJで「チャゲアスは演歌である」という企画をに対し、それを観たASKAさんから抗議の電話が来たエピソードを紹介しつつ「殴りに行こうか」の相手は企画した「秋元康」と言ったので、ネットでも広まりつつありますが、それはあくまでもオチをつける為のサービストークです。
ASKAさんは、ドラマ「振り向けば奴がいる」の主題歌のときも前回「SAY YES」と一緒で、スタッフに台本を読んでもらい、おおまかな内容を把握して、この曲を書いたと語っています。「目には目を、歯には歯を」という歴史の格言が浮かび、それを思い切り歌いあげてみたと。ドラマの内容に合わせるのではなく、大まかに知って作れば、どこかクロスする接点が生まれる。その方が、歌として強いと語っています。
結果、200万枚を売り上げるダブルミリオンを記録しています。
【カバー】