「シルエット・ロマンス」大橋純子 1981年11月25日リリース
ポールマッカートニーのおかげで封印していたこの曲を再び歌う様に。
「美乃家セントラル・ステイション」というバンドを従え、ソウルやファンク色の強い、歌を歌っていた大橋純子さん。洋楽ファンなどにも人気があり、ライブにも定評がありました。
しかし、玄人受けする音楽性の為か、レコード方は、大きな売り上げを、あげる事は出来ずにいました
10枚目のシングルの時、企画版というような形で、これまでとは違ったカラーのシングルを出す事になりました。作詞・阿久悠さん、作曲・筒美京平のゴールデンコンビが作る、歌謡曲の色が強い一曲「たそがれマイラブ」。
大橋純子さんは、それまでの路線との、あまりの違いに、歌う事を渋っていましたが、これが大ヒット。レコード会社は、このヒットを逃してはいけないと、歌謡曲路線を強く推しその流れで、当時ヒット曲を生み出していた来生えつこさん、来生たかおさんのコンビに、曲を提供してもらう事にしたのです。
それが17枚目のシングル「シルエット・ロマンス」有線のリクエストから火がつき、リリース5カ月後にベストテンにランクイン。
大ヒットはしたものの、大橋さんは、大きな悩みを抱える事になりました。自分がバンドと共に歌いたい、ソウルやファンク路線ではなく、ソロシンガーとしての、歌謡曲路線ばかりを求められ、次第に、そのギャップが埋められなくなり、一時休業する事に。
その後、復帰してからは「たそがれマイラブ」と「シルエット・ロマンス」を封印して歌わなくなりました。この2曲を、頑なに拒否するようになったのです。
その封印を解くきっかけとなったのは、ポール・マッカートニーのソロコンサートでした。ビートルズ時代の曲は歌わないというふれこみのコンサートでしたが、途中で突然、ポールは、ビートルズの「Yesterday」を歌い始めたのです。
大橋さんは、自分も聞きたかった「Yesterday」に感動し、ヒット曲というのは、自分の曲というより、ファンに愛された曲なんだというのに気づき、わだかまりもなくなりました。それからは、ファンに愛される代表曲として、この曲を歌うようになりました。
【カバー】