「ちょっとやそっとじゃCAN’T GET LOVE」中村あゆみ 1986年4月16日リリース
アイドルのようなポップで可愛い曲調をロックに歌う事で自分色に!
1985年、3枚目のシングル「翼の折れたエンジェル」がヒットし、女性ロッカーとして注目を集めた、中村あゆみさん。
テレビの歌番組からのオファーも殺到しましたが、ロック色を大切にするために、ライブを中心に活動をする事にします。
「翼の折れたエンジェル」は、歌番組の「ザ・ベストテン」に10週にわたりチャートインしましたが、出演したのは1回のみ。欠席理由は「ライブ活動に専念したいため」でした。その他、出演があっても、ライブ会場からの中継とするなど、中村あゆみといえば、ライブ命というポリシーで活動していきました。
当時は、松田聖子さん、中森明菜さん、小泉今日子さんという、女性アイドル全盛期。アイドルと差別化した、女性アーティストの中で、1985年にヒット曲トップ50に入っているのは、松任谷由実さんと、中村あゆみさんだけ。女性ロッカーというジャンルを、必死で切り開いて行ったのです。
中村あゆみさんは、この年の8月、注目の女性ロッカーを発掘する、ジョイントライブを日比谷の野外音楽堂で開催します。お相手は、まだ無名だった「レベッカ」。女性ボーカルが好きで集まった観客達に、「NOKKO」の歌声が注目され、この直後に「フレンズ」をヒットさせ、女性ロッカーの仲間入りをしました。
こうして「女性のロック」というジャンルを切り開いてきた自負のある、中村あゆみさんですが、6枚目のシングル曲を渡されて、大いに戸惑う事になります。
それは、自分が一線を引いていた、アイドルのようなポップで可愛い曲調の「ちょっとやそっとじゃCAN’T GET LOVE」
でもそれは、「今の中村あゆみなら、自分色に染められる」というプロデューサーの判断でした。こうして、リリースした曲は「翼の折れたエンジェル」を越えた、自己最高のヒット曲となっています。
この歌は、「カネボウ化粧品 ’86夏のイメージソング」として、毎日のようにテレビから流れ、中村あゆみの名前を、さらに世間に広める事となりました。