中山美穂 & WANDS「世界中の誰よりきっと」やっと素直に歌える曲と出会った

「世界中の誰よりきっと」中山美穂 & WANDS 1992年10月28日リリース

通算25枚目のシングルにしてやっと素直に歌える曲と出会った!

歌手としても、女優としても絶好調の中山美穂さんでしたが、実は、この頃、ある葛藤を抱えていました。

それは、ドラマの主演と、主題歌がセットになって売り出される為に、歌う曲は、全てドラマのストーリーに沿った内容となり、どこかで、自分の気持ちを抑えて、歌わなければならないという事。曲がヒットすると、その曲を歌う事を求められます。でも、ドラマが終わると、その役柄の気持ちは抜けているので、歌の中に、のめり込むというのが、難しくなっていました。こうして、密かに歌と自分の気持ちのギャップに、悩んでいたのでした。

この曲も、ドラマ『誰かが彼女を愛してる』の主題歌になる事が決まっていたのですが、ひとつ違ったのは、作詞に挑戦させて貰えるという事でした。自分の気持ちを歌えるという喜びから、歌詞は、どんどん出て来たと言います。

そして曲調は、それまで激しい16ビートか、逆に、しっとりとしたバラードと両極端だったのですが、この曲は、ゆったりとした8ビート。様々な無理から解放された、中山美穂さんは、この歌を歌う事が、楽しくてしょうがない程でした。インタビューでは、「自分で作詞に加わったということもありますが、とことん納得のいく曲は、今回が初めてと言ってもいいくらい」と、答えています。

それを象徴するかのように、この曲のジャケットも、笑いを堪えきれないというように、笑顔の口元を隠す写真。

デビューから7年。通算25枚目のシングルにしてやっと、心から納得でき、素直にヒットを喜べる作品に出会う事ができました。そんな楽しさが伝わったのか、この曲は、92年10月発売から、年をまたいで計190万枚のメガヒットとなりました。

気持ちを出し切ったという中山美穂さんは、新たな気持ちを充電する為にここから1年3ヶ月という、異例の休養期間に入ります。
その間に、デュエットで参加したWANDSが注目を集め、「もっと強く抱きしめたなら」「時の扉」「愛を語るより口づけをかわそう」と、立て続けにランキング1位曲を連発しました。

【カバー】

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