「innocent world」Mr.Children 1994年6月1日リリース
小林武史さんに何度も歌詞を書き直させられた曲。最初は「イノセント・ブルー」というタイトルだった!
今聞くと、なかなか信じられませんが、Mr.Childrenは、最初からすんなり売れたバンドではありませんでした。
ファーストシングルの「君がいた夏」、セカンドの「抱きしめたい」は、セールスが全く振るわず、意気揚々とデビューしたメンバーや、彼らをスカウトした、所属レーベルの社長にも焦りが生まれました。
3枚目のシングル「Replay」(リプレイ)が、グリコ「ポッキー」のCMソングに起用された事で、彼らの曲がやっとTVから流れはじめ、Mr.Childrenという名前が、徐々に知られるようになっていきます。それでも、今のような大ヒットには至らず。
4枚目のシングル「CROSS ROAD」が、斉藤由貴主演のドラマ『同窓会』の主題歌となった事で、やっとTOP10入り。最高順位は6位でしたが、ドラマのヒットもあり、主題歌である「CROSS ROAD」は、長い間売れ続け最終的に、100万枚を超えるヒットとなりました。
初のミリオンヒットを生んだ、Mr.Childrenでしたが、それでも、メンバーは、皆焦っていました。「次の曲もヒットさせなければ、自分らは一発屋になってしまう」
そんな時に持ち込まれたのが、コカコーラの「アクエリアス・ネオ、イオシス」のCMソングの話し。
ここがチャンスと思った桜井さんは、CMの絵コンテを見せて貰い、その世界観と、アクエリアスのイメージに、100%ピッタリだという自信作の曲を書き上げました。その曲のタイトルは、「イノセント・ブルー」。
歌詞を見たプロデューサーの小林武史さんは、桜井さんにこう言いました。「いくらCMソングだからと言って、それになぞった詞を書くのではなく、自分自身の心の中にあるもの、自分しか歌えない曲をかかなきゃダメだ。」そう言って、詞を書き直させる事にしたのです。
ホテルの一室にこもって詞を書き、それを小林武史さんがチェック。そこでダメ出しされ、また桜井さんが部屋にこもって作り直す、その繰り返し。もうダメかも…そう思った時に、突然ひらめいたのが、みんなの知る「innocent world」の歌詞だったのです。
この曲は、Mr.Childrenは、シングル・アルバム通じて初のオリコン週間チャート1位を獲得。ここから30作連続1位という、快挙が始まったのでした。