「くるみ」Mr.Children 2003年11月19日リリース
「来る未来」を擬人化する時に、未来という漢字を逆から読んで「くるみ」
2002年、桜井和寿さんは、小脳梗塞が判明し、入院をします。静養が必要であるため、予定されていたライヴツアーは、中止となりました。
2002年の暮れに、24枚目のシングル「HERO」が発売されますが、実は、このレコーディングは入院前に終えており、リリースはしたものの、本格的な活動再開には至りませんでした。
さらに、ドラムの鈴木英哉さんが、休養したいと言いだし、「鈴木の諸事情」により、活動の再開は遅れると、アナウンスされました。
のちに、鈴木さんがインタビューで明かした所によると、バンドの活動を止めてしまったことに対する、責任を感じていた桜井さんが無理をしてしまわないように、体調を気遣って、あえて自分が休みをとって、活動を遅らせたと、語っていました。
前作の「HERO」は、活動休止前のレコーディングでしたから、2003年のリリースの両A面シングル「掌(てのひら)、くるみ」が、本格的な活動再開の作品となりました。
両A面のシングルの一曲「くるみ」「くるみ」という人物に問いかけるように、歌われていますが、「くるみ」というのは、「来る未来」の事。未来を擬人化する時に、未来という漢字を逆から読んで「くるみ」にしました。
これから来る未来に希望を持ち、夢を見ていた過去の自分。夢を現実に出来ず、想像したものとは違う現在を生きている自分。描いていた未来とは違うけれど、過去とは決別し、新たな一歩を進みだそう。
桜井さんは、この復活の時に、ミスチルの原点ような曲が出来たと、後に語っています。
この曲のプロモーションビデオは、「Mr.ADULTS」というバンドの夢が破れて、夢と決別した日という設定で、ドラマが描かれています。
やり切って、後悔無くバンド活動を終えた日、メンバーは、「Mr.ADULTS」というバンド名の書いた紙を、丸めて捨てるのですが、それが、桜井さんの目の前に転がります。紙を開いてみると、バンド名の候補の一つだった「Mr.Children」という名前が書いてあり、それをヒントに、ミスチルが始まったというストーリー。
ミスチルの原点を思わせるようなPVで、本人達も一番好きなPVだそうです。
このPVは「SPACE SHOWER Music Video Awards 04」で、「BEST VIDEO OF THE YEAR」に輝いています。
【カバー】