「アメイジング・グレイス(Voice Recorder Version)」本田美奈子 2008年3月24日配信リリース
自分も白血病なのに人を励ますため入院中の病室で歌った!
「1986年のマリリン」で、アイドル歌手として一世を風靡した本田美奈子さん。その後、その歌唱力を生かして、ミュージカル「ミス・サイゴン」のオーディションを受け、見事、1万2000人のなかから、ヒロイン役に選出されました。
1年半のロングラン公演をこなし、その歌唱力は高く評価されました。その後も多数のミュージカルで、主演を務める一方、クラシックへの志向を強め、ボーカリストとして、活動の幅を広げていきました。
全てが順風満帆と思えたのですが、2004年の12月下旬から、風邪のような症状がずっと続いていたため、血液検査を受けた所、結果、緊急入院という事態に。急性骨髄性白血病だと、診断されたのです。そこから、化学療法を用いた、壮絶な治療が始まります。
しかし、本人は必ず治すという、強い意志を持ち、闘病中でも、つねに明るく笑顔を振りまき、バンダナやパジャマも、明るい色を選び、おしゃれを楽しみました。
そんな中、本田美奈子さんの入院中に、「ミスサイゴン」の訳詞を担当した、岩谷時子さんが、骨折する事故があり、同じ病院に運び込まれてきました。
それを知ると、無菌室から出ることができなかった彼女は、岩谷さんを励ますため、ボイスレコーダーに、メッセージと共に、ア・カペラで歌を録音して、病室に届けてもらう事にしました。この録音は、全部で三十数曲にも上ったそうです。
そのボイスレコーダーに録音した最初の歌が、アメイジング・グレイスでした。
本田美奈子さんは、2005年11月6日、惜しまれつつも、この世を去りました。38歳の誕生日の前日に、一時退院を許された際にも、お世話になった医師や看護師のためにナースステーションでこの歌を歌っています。
その歌は、「Voice Recorder Version」として、2008年3月24日に配信リリースとなりました。