「花」ORANGE RANGE
2004年10月20日リリース
声の感情を出すために、レコーディングの時辛いキムチを食べて、声をかすれ声に!
ORANGE RANGEを語るうえで、欠かせないキーワードが「沖縄」です。メジャーデビューが決まっても、活動拠点を東京には移さず、沖縄での暮らしにこだわりました。沖縄のゆったりとした時間に身を任せ、マイペースで活動する事を選んだのです。
音楽はこうあるべきではなく、何でもありが、彼らのポリシー。若者らしく、思いつきをどんどん取り入れ、そのノリの良さが支持されました。遊び心を取り入れた、ちょっとクセのある曲が、彼らの特徴。
そんな彼らでしたが、売れた事でドラマやCMなどのタイアップなどが入るようになり、それと同時に「こういう曲を」という要望も多くなり、好きなことを自由にやる、そんな姿勢にも変化を求められました。
そして、映画「いま、会いにゆきます」の主題歌の依頼。泣けると評判のこの映画の為に、泣ける曲を用意する事になったのです。
ノリのいい曲は沢山あったのですが、泣ける歌は、まだありませんでした。そんな時に白羽の矢が立ったのが、メンバーRyoのソロ曲になる予定だった、楽曲です。
すでに「花」の原型は、出来ていました。ただ、自分の内面を吐き出す曲だったので、後ろ向きの言葉ばかりが並び、映画の主題歌にはふさわしくないと、全面的に詞を書き直す事になったのです。
彼らは、曲を作る時、まず最初にNAOTOを中心にメロディを作り、出来上ったメロディのイメージを、ボーカル隊の3人がパート別に作詞をして、ソロパート、ユニゾンパート、ハモリパートを話し合って決めて作っていくスタイル。この曲は歌詞の部分で苦労しました。それまでにノリを大事にして来たので、バラードに抵抗があり、恋愛をテーマにしたバラードを作った経験が全くなかったからです。
映画の脚本を読ませていただき、全員で詞を考えました。オレンジレンジらしい、遊び心はどうする?という話になったのですが、今回は王道を貫こうと、真正面から取り組みました。
さらに、声の感情を出すために、レコーディングの時辛いキムチを食べて、声をかすれ声にするなどの工夫も。
こうして出来たのが、オレンジレンジの新たな一面をみせた「花」です。映画「いま、会いにゆきます」の評判と共に、この主題歌も話題になり、99.9万枚を売り上げる、大ヒットとなりました。
そして、この曲のヒットで、コンサートにもある変化が起きました。それまでは、若者中心だった客席に、年配客が目立つようになったのです。彼らの曲に聞き入り、時には涙を流し、そんな姿をみて、ヒットとはこういう物かと、実感するようになったといいます。
さらに恋愛をテーマにしたバラードへの抵抗もなくなり、「ラヴ・パレード」などへと繋がって行く事となったのです。
【カバー】