「夏色」ゆず 1998年6月3日リリース
ラスト路上ライブ、台風の中8千人が集まりこの歌をマイク無しの生歌で歌った!
1996年、幼なじみで同級生だった岩沢さんと北川さんのふたりは、ユニット「Light’s」を結成。横浜・伊勢佐木町の松坂屋前の路上で、ストリートライブを始めます。その後、しゃぶしゃぶ屋さんで、北川さんが食べていた「ゆずシャーベット」から思いつき、名前を「ゆず」と変える事になりました。
その路上ライブで、二人は運命的な出会いをします。現在の所属会社の社長が、その前を通りかかり、二人の歌に耳を傾けたのです。そして、こうアドバイスしました。「君たちは、ライブハウスで歌うより、路上でやり続けた方がカッコイイ」
そこで、1997年5月から、それまで不定期だった路上ライブを、毎週日曜日23時開始の、定期ライブとしてスタートさせました。開始当初、時には、お客がゼロの日もあったその路上ライブは、彼らの音楽人生を、大きく変えていく事になりました。
1997年、ゆずは自分達の特色を生かし、路上でレコーディングしたミニアルバム『ゆずの素』を、インディーズからリリース。
そのCDをもって、全国の路上へと活動範囲を広げ、1998年に、全国7ヵ所で行われた路上ライブサーキットでは、デビュー前のアーティストとしては、異例の1000人を超える集客を記録し話題に。
そこで満を持して、シングル「夏色」で、メジャーデビュー。一気にブレイクし、夏のフェスに引っ張りだことなった彼らは、その夏の終わり、一つの決断をします。
それまでおよそ2年半、毎週日曜日の夜に欠かさず行ってきた、横浜・伊勢佐木町の、松坂屋前での路上ライブを、卒業する事にしたのです。
1998年、8月30日、路上ライブ最後の日。しかし、その日は朝から雨で、台風が近づいていました。それでも、最後の路上ライブという事で、全国から8千人もの人が集まったのです。大雨の降る中、ふたりは、ファンの為に、この曲を歌い上げたのでした。
この日は、大雨だったのですが、傘を差すと後ろの人が見えなくなるという理由で、みんなの呼びかけで、ファン達はレインコートで集まりました。ゆずの二人も、マイク無しの生歌がみんなに届くように、全部の方向を向いて、歌いました。