「寒い夜だから…」trf 1993年12月16日リリース
実は薄着のまま自転車でスタジオに向かった時に浮かんだフレーズ!
ジュリアナ東京などのディスコ全盛期に、邦楽のダンスミュージックがほとんど定着していない事に目をつけた、小室哲哉さん。各地のディスコで、音楽イベントを行い、ダンスミュージックの可能性を探っていました。
その中で知り合った、YU-KI(ユウキ)や、DJ KOO達と、「TK RAVE FACTORY」という、ユニットを立ち上げます。ボーカルとダンサー、DJという、当時は珍しい組み合わせ。これが、TRFの始まり。
横浜倉庫街のディスコ、「横浜ベイサイドクラブ」でイベントを行ったり、「ジュリアナ東京」で、プロモーションコンサートを行ったり、ダンスが好きな人達にPRし、日本のダンスミュージックグループとして、trfの名前は、徐々に浸透していきました。
しかし、もっともっと知名度をあげる為には、ディスコなどに通わない、一般層にも、浸透していく事も必要と、考えていました。そこで、小室さんの構想の中に、バラードという選択肢が生まれたのです。
小室さんは、1ワードを思いつくと、そこから、歌詞の世界観を作り上げて行くのが、早い人です。
同じ小室サウンドのglobe の「DEPARTURES」は、作詞の締め切りが迫っている時に、空港で目に入った「出発」の英語表記DEPARTUREという文字から、一気に歌詞を書き上げた物でした。
この「寒い夜だから…」は、自宅から近所のスタジオに向かう際、近かったので、薄着のまま自転車で向かった時の事。夜だったので、思いのほか寒くて、震え上がったのです。そして、早く暖かい所に行きたいと思った時に、アイディアが浮かびました。
スタジオにつく頃には、「寒い夜だから、明日を待ちわびて」から始まる、ストーリーが出来上がっていたのだそうです。さらに、「寒い夜だから」という言葉を早く言わせたいので、イントロは短くするという事も決めると、すぐにメロディーも完成したのだそうです。
ダンスナンバーのグループというイメージのtrfでしたが、このバラードで、初のオリコンベスト10入り。ディスコに行かない層も、カラオケでこの歌を歌うようになり、trfの名前は、多くの人に知られるようになりました。
【カバー】