「ドライフラワー」優里 2020年10月25日リリース
男女の視点の違いで花の見え方が違う「かくれんぼ」へのアンサーソング
優里さんの「ドライフラワー」はインディーズ時代の配信限定シングル「かくれんぼ」と対になっているアンサーソングです。「かくれんぼ」はTikTokなどの「歌ってみた」などで拡散され配信チャートでインディーズながらロングヒットとなった楽曲。同棲していた部屋から彼女の姿が消え、その彼女を探すというストーリーを歌っています。
優里さんは、曲作りに時間がかかるタイプで「どんな言葉が心に響くのか?」という視点で言葉選びをしていきます。
子供の頃にディズニーの歌を台詞込みで歌うのが好きで、歌と物語の世界観が繋がっているので、この曲を作るときにも、二人の人間性など細かい所まで作り込み、そこから歌で動かして行きました。自分が作り上げた二人なので、感情移入もしやすかったそうです。
そして完成した楽曲を聴いたときに、何度も映画を観た後のように、その世界観が浮かび、アフターストーリーが浮かんで来たのだそうです。
「かくれんぼ」が男性の視点の歌だったので、女性の視点からの歌を作ろうという事に。女性視点で歌を作るのは初めてだったのですが、ストリートで歌っている時に、女性の曲も多くカバーしていたので、そういう視点で観ることも出来ました。
さて「かくれんぼ」しか配信されていない時は、女性はどこに消えたのか?死んだ?などの考察がありましたが、「ドライフラワー」を聴くと、答えが浮かんで来ます。MVも対になっているので、「かくれんぼ」で浮かんだ疑問が「ドライフラワー」で明かされていきます。
恋の終わりは、男女の視点でどう違うのか?どうすれ違っていたのか?
ドライフラワーのMVの中で彼女が持っている紫陽花の花束は「青と紫、白」の3つの色が入っています。
あじさいの花のは、時期によって変化することから花言葉は「移り気」とされています。ただ、色によって花言葉も違い「青と紫」は「辛抱強い愛」、白は「寛容」。
歌の中でも「色褪せる」と歌っているように「寛容の気持ちで、辛抱強く愛してきた」が、枯れてドライフラワーになってしまった事を歌っていますし、男性には「まだ枯れない花をずっとずっと抱えてよ」と言っているので、枯れてる花を枯れていると気づいていない事を皮肉っています。
女性視点のもう終わった恋「ドライフラワー」に対し、まだやり直せると思っている男性視点の歌「かくれんぼ」の2曲で、恋のすれ違いの物語を描いています。
この「ドライフラワー」の花言葉の考察で、イギリスではドライフラワーは「永久に終わらない追憶」と言われているという物がありましたが、優里さんの実家にはドライフラワーが沢山飾られていて、子供の頃「枯れているのに残っていて綺麗だな」と思っていたそうです。なのでいつか「ドライフラワー」を「残っている」という意味で歌詞に入れたいと思っていたそうです。
そういう意味で、男性視点の恋は終わっても美化されて思い出になっていくと言われますが、どんな思いもあるのかもしれませんね。
【カバー】
ちなみに男女での視点の違いでアンサーソングが書かれた曲は以前からあります。